【WAX原型製作-その1-】
下準備が出来たので
本格的に子供を形作っていきます。
昔、こんな話がありました。
技術的にも表現的にもとても難かしい
完全1点モノのオーダーを受けた原型師さんがいました。
WAX製作に入ったその方は、
下準備の出来たWAXを前に手を止め
7時間も目を閉じ、
そのブロックWAXの中に存在する
完全なオーダー品の形をイメージし
そしてそのイメージを完全に自分の脳にも
覚えさせたと。
優に5日は製作にかかるであろうその原型を
7時間のイメージを終え、
静かに目をあけたその方は
同じ7時間で原型製作を終えたというお話。
「単純に寝てたんのとちゃう!?」
とか
「最初から7時間で作れたんとちゃう!?」
等、夢の無い事を言う人もいますが
原型製作をしてる人なら、
思うところのある話でもあります。
ようは、どれだけその固まりのWAXの中に
自分の作りたい形をイメージ出来るかどうかです。
僕はまだまだその領域では無いので
頭の中に完全にイメージする意味も込めて
デザイン画を直接WAXにけがいていきます。
ただ、これだけの厚みがあると内径と外径の
長さも相当に変わってくるのでけがく際にも
実際に彫り、デザイン画の隙間/空気感になるよう
カーブのキツイサイド部分は
間延びをさせてけがいていきます。
これで、下書きが完成です。
【WAX原型製作-その2-】へつづく。